不動産の価値は隣地住民などの状況も影響するので注意が必要です【不動産スタッフコラム】

当社では宅建業者として相続に関わる不動産の価格査定をさせて頂くことが多くありますが、不動産の査定は何度経験しても難しいと感じています。

不動産の査定においては、住宅などは取引事例比較法(過去に成約された対象不動産近隣のタイプの似た不動産の単価などを参考にしながら対象不動産の査定を行う)、収益物件などは収益還元法(過去に成約された対象不動産近隣のタイプの似た収益物件の利回りなどを参考にしながら対象不動産の査定を行う)などを用いて価格査定を行うのが一般的です。国や都道府県が不動産取引における価格の目安として公表する公示価格や基準地価、相続税の評価に用いられる路線価なども参照しながら総合的に査定価格を精査していきます。一方で、対象不動産ではなく、対象不動産の隣地や周辺、地勢や建物の状況といったハード面ではなく、住んでいたり利用している方々の状況が不動産の価格に影響を及ぼすことがあります。

不動産査定においては無料であることもあり、机上の簡易的な対応のみで隣地の状況を確認しないで査定を行うことも多くあるでしょう。しかしながら、隣地や近隣にいわゆるクレーマーのような方がお住まいであったり、過去にも度々喧嘩沙汰などになっているようなオーナーが隣地を所有しているような状況があったとしたら相場での取引が出来るでしょうか。難しいかもしれません。対象不動産の隣地居住者などの状況を考慮しない査定価格よりも状況によっては何割か査定が下がることがあるかもしれません。

なぜこのようなことを述べるかというと、当社が得意とする相続不動産においては実需物件と違い相続で受け継いだ所有者様が対象不動産の状況(対象不動産も隣地も周辺も)を詳しく理解していないことが多いため、後になってこの問題がクローズアップされないような注意が必要だからです。不動産会社としては査定を行う際に大きくズレた査定にならないよう注意が必要なところです。

当社では不動産査定において不動産売買査定歴20年以上の経験者のダブルチェックを行い細心の注意を払いながら対応をしていますが、状況によってはヒアリングができないこともあります(近隣に知られたくないから慎重に対応してほしいなど)。よって隣地所有者や居住者の状況については含みを持たせて不動産の査定を行うことは肝要であると考えています。皆様におかれましても隣地所有者や住んでいたり利用している人のことは関係ないと思わないようにしてみてはいかがでしょうか。また、売主様としても、この辺りのことも考慮して不動産のご売却を検討するのもポイントとなります。

不動産査定について少しでも気になることがありましたらどうぞお気軽にお問合せ下さいませ。