経営チームは仲良しのほうが良いのでしょうか?

よく経営における議論のなかで取り上げられることですが、チームとして仲良くしあうことの是非があります。仲良しチームは一見楽しく経営が出来ていそうで良さそうです。仲良しですから力を合わせて頑張れそうな気もします。

しかしながら仲良しであることや優しさを出し合うことは経営にとってメリットばかりなのでしょうか。私はやさしさや楽しさは時と場合によっては持続的な健全経営にとっては毒にもなる気がしています。

ビジネスでは往往にして喧々諤々の議論をすることがあります。ひとそれぞれに個性があるようにチーム全員の意見がどんなときも同じであることはそれほど多くはないからです。経営に正解がないようにひとそれぞれに論理的な意見や感情的な意見など様々な考え方が出てくることはむしろ当然のことと思います。そして、そのような個性のある意見をもったメンバーが集まるビジネスミーティングでは、意見の相違が出てきたときには喧嘩までいかずとも意見が対立することもあるでしょう。

しかしながらこの対立する議論はお互いを傷つけあうためにすることではありません。個人の思想批判などではなくビジネスにおけるそれぞれの考え方やスキーム等における欠点などを議論のなかで少しずつ共有し合いお互いを少しずつ理解しあえるようにより良い状態にもっていくために行なうものではないでしょうか。仲良しチームで優しさや調和を最優先とし、会社の持続的競争優位にとって大切と思われることもチームの和を乱すということで誰も何も言わないようでは社内に均衡が保たれたとしてもどこかのタイミングで競争相手に駆逐されたり、市場で淘汰される確率が高まるでしょう。

この議題もコラムレベルで簡単には論じることが出来ないことですが、相手にとって不都合なことでもはっきりと言える場があることは経営にとっては実は大切なことではないかと思っています。