土地活用における建築計画の考え方【建築コラム】

 

こちらのコラムでは、相続対策として「土地活用」を行おうと考えはじめた方に向け、どのような順で考えればよいか、そして、賃貸物件における「賃借人」が求める条件と建築計画(構造・間取り等)について解説致します。

土地活用の種類

まず、「土地活用」をしようと考えた場合に、最初に考えるべきなのが、土地活用の種類です。土地活用には以下のような種類がございます。

  • 賃貸アパート
  • 賃貸マンション
  • 戸建賃貸
  • 駐車場経営
  • 老人ホーム等の施設

どのような土地活用が適しているのかは、その土地における都市計画等の規制・周辺環境や人口動態等の要素によって判断すべきものとなります。

 

さて、そこで「賃貸」の物件建設をしようと考えることになったとしましょう。
賃貸物件も上記の①~③の通り、種類がございます。そしてまた、建物の構造にも種類がございます。

ここでまず、ご理解していただければと思うのが、品質の良い建物=良い物件とは限らないということです。今、多くの建設会社等が土地活用を主とした商品を提案しています。なので、品質面では、それぞれの得意な分野で良いものを作っています。

では、それぞれの会社の良い所を知った上での判断は、どうしたらよいのか。

 

それを判断する1つとして、「賃借人」の視点があります。

どんなに良い物件だと思って建設しても、賃借人にとって良い物件でなければ、借り手がつかず、土地活用が失敗してしまいます。

土地活用では、その判断に、最も注力することが大切です。

 

賃借人の視点で見るポイントは様々ですが、主に以下のようなものが挙げられます。

駅へのアクセス、治安、騒音、セキュリティ、階数、日当たり、間取り、収納、キッチン・水回り、築年数、駐車場・駐輪場の費用・利便性 等

全てを満たす物件となれば、それは素晴らしいですが、そのために家賃が高くなってしまって借り手がつかないことも考えられます。

その土地において賃借人にとって「本当に必要な」条件を導き出す必要があります。

賃借人によって個々で違う条件の場合もありますが、「賃借人となりそうな人がどのような人が多いのか」を考えていく事が重要です。

地域性

まず初めに「地域性」を見ていきましょう。

上記の賃借人の考えるポイントでは、各種交通機関へのアクセス、治安、騒音といったところでしょうか。この地域性により、まず、この地域に住みたいと考える人の職種・家族構成等が決まってきます。

もちろん、その地域圏だけで過ごす人を把握することも大切ですが、その地域の最寄り駅から主要駅へのアクセスも検討要因です。その主要駅にある企業などを考えると住みたい人物像が分かる場合もあります。

また、地域性は、「良い・悪い」と捉えるはなく、あくまで、その地域において、どのような人が賃借人となるのかを見極めるポイントとなります。

間取り

では、その地域に住みそうな人物像が分かると、おのずと、1K、1LDK、2DK、3LDKなど「間取り」が見えてきます。

ここでのポイントは、異なる間取りを混在させると「騒音」問題が発生しやすいという事です。様々な間取りを用意すると、賃借人の層を分散させることは、賃貸経営で安全な方法と思われるかもしれませんが、知音尺人の層が分散すると、生活リズムが異なる居住者が暮らすこととなり、就寝時に音が発生してしまい、騒音トラブルへと繋がる場合があります。

ですので、その場合には、建物構造や、間取りによって隣接する部分を減らすなどの工夫が必要となります。建物構造は、賃貸戸建では木造、賃貸集合住宅では、鉄骨造・鉄筋コンクリート造が主流です。建設費用としては、木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート造となりますが、遮音性もその順になりますため、集合住宅であれば、収益も大切であるため、建設費用と遮音性のバランスを検討する必要があります。

また、間取り・構造と共に検討するポイントとして「駐車場・駐輪場」です。敷地内の配置として、駐車場や駐輪場の存在は重要ですが、近くに余裕のある月極駐車場・駐輪場が存在していたり、駅が徒歩で近かったり、といった場合は、思い切って敷地内に配置しないことも検討可能です。

設備

その他のポイントは、ほとんどが「設備」となります。

セキュリティは、男性のみで生活する場合には重視されないかもしれません。
また、キッチン・水回りは、例えば、仕事で、ほとんど自宅に居ない単身者が住まわれる可能性の高い場合には、重視されないことも考えられます。

 

ここまでお読みいただき、最初の「賃借人」の見極めが大変重要なことはお分かりいただけたことと思います。

弊社では、これまでに多くの不動産の売買取引事例があり、調査を行っておりますので、地域の特性を見極めることも行っております。建設会社を選択する前に、その土地の特性を考えての相続対策のご提案を行えますので、ぜひ一度ご相談頂ければと思います。