建物を支える地盤と耐震(後編)【建築コラム】

前編では、建物の土台となる地盤についての調査や改良工事に関するご説明させて頂きました。後編では、建物が自身の揺れに耐えられるための条件である「耐震」について解説致します。

前編:建物を支える地盤と耐震(前編)【建築コラム】

耐震構造

耐震構造とはその文字の通り、地震に耐える建物の構造のことです。建物の骨組みである、柱・梁を頑丈に作ることで、地震に耐えるようにします。

震度のさほど大きくない地震の際に損傷しないだけの強度があり、建築物はそのまま利用できる状態ですが、大規模地震の際には、地震のエネルギーを吸収することをによる建築物の一部損傷を認め、倒壊・崩壊を防ぎ、人命を守ります。しかし、その建築物の継続使用は困難となることもあります。

耐震構造の他にも、制震構造・免震構造などがあり、それぞれについても解説してまいります。

制震構造

制震構造とは、ダンパーと呼ばれる地震のエネルギーを吸収する装置を建物組み込み、揺れを抑える構造です。

建物の揺れを抑えることで、損傷を防ぎます。地震が繰り返し起こった場合でも、耐震構造と比べると建物が損傷しづらくなります。

免震構造

建物の基礎部分に免振装置を設置し、地震力自体を建物に伝えにくくする構造です。他の構造と比べて地震の揺れ自体が建物に伝わりにくくなるため、建物の損傷や家具の転倒を大幅に防ぐことが可能となります。

イメージとしては、地震が発生すると、建物が地面と切り離されて、地面だけが揺れている状態になる様子を想像して頂ければと思います。

 

上記の通り、地震の対策といたしましては、「免震構造」が、最も地震に対して優れた構造です。

しかしながら、その技術を建物に取り入れるには、他の構造よりコストがかかります。初期費用は、一般的な戸建住宅で300万円以上かかると言われており、また、定期点検の費用もかかってまいります。また、その他の災害(洪水・台風など)については、別途対策が必要となります。

30年ローンを組むと、金利にもよりますが、免震構造の初期費用は月々1~2万円の負担になると思われます。もし、資金に余裕があるのであれば、検討の余地があるかもしれません。

耐震・制震構造に関しましても、年々進化しており、それぞれの企業が技術向上に努めています。ご自身のお持ちの費用の中で、ぜひ各社の技術を見比べて頂き、デザインやその他の設備にかける費用も含め、バランスをとって頂ければと思います。

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