不動産を高く、良い条件で売却する方法②

ポイント② 不動産の相場観を調べ、複数の意見を伺うこと

〝失敗はしたくない、不動産を一番高く、それも良い条件で売る方法はないのだろうか?〟

このコラムの読者の方は、ここが一番気になるところだと思います。結論から申し上げると、会社の規模にかかわらず、相性の合う担当者と出会うことができれば目的を達成することができるでしょう(ちなみにですが、担当者が知識と経験とコミュニケーション能力を兼ね備えていることはプロとして当然とします)。複数の会社に声をかけて各社の対応を確認し、そのなかで良い出会いがあれば、結果として一番高く、より良い条件で売却できるでしょう。

気をつけていただきたいのは、1社だけにしか声がけをしないことです。医療の分野でもセカンドオピニオンを行なう時代です。不動産という高額商品を扱うのに、1社だけの情報で、本当に大丈夫と言えるのでしょうか。これは大手とか地場とか金融機関系列の会社だから安心だとかは関係ありません。

次に、お客様でも相場感を調べることです。ネットが発達したおかげで、インターネットにさえつながっていれば、かなりの情報を事前に調べることができます。

すなわち、

 

  • 対象不動産の公示価格・基準地価・路線価等を確認する
  • 近隣で売り出しされている物件価格を調査する

 

この2点を行なうだけで、大方の売却価格が見えてきます。以下に調査に使える参考サイトを掲載しておきます。

 

〈ホームズ〉http://www.homes.co.jp

〈スーモ〉http://suumo.jp

〈路線価図〉http://www.rosenka.nta.go.jp

〈公示地価・基準地価〉http://tochi.mlit.go.jp

 

なお、一般の方々が確認できない情報として挙げられるのが、「レインズ」(東日本不動産流通機構)と呼ばれる、宅建業社のみが取り扱える不動産情報媒体です。

レインズからはインターネットには掲載されていない売り出し中の物件はもちろん、成約済みの物件まで時系列に確認できるため、不動産業界ではなくてはならない情報媒体となっています。不動産売買における査定には、売り出し価格よりも成約事例を用いて価格査定を行うからです(売り出し中の物件は売主の個人的な想いが価格に反映されることもある一方、成約価格は相場で決まることが前提となるため)。

レインズの情報がわかれば早いのですが、残念ながら、まだネット上では確認ができないため、ここは不動産会社の力を借りねばならないところです。そして、これらの相場観さえつかんでおけば不動産会社からの情報提供に対してもある程度自信をもって対応頂けると思います。

ここで、相続不動産売却にかかるタイムスケジュールを共有します。ざっくりでも流れを掴んでおくと戦略が立てやすいでしょう。

 

解説 相続不動産の売却の基本的な流れ(売却方法によっては違う段取りをとったほうが良い金額・良い条件で売却出来ることもあります)

 

  • 不動産会社や不動産コンサルティング会社に売却の相談

相続不動産の場合、顧問税理士、弁護士、司法書士、金融機関から不動産会社の紹介の受けることが多いですが、前述の通り、紹介先以外にも自分で探してみて2、3社から話を聞くことをおすすめします。また、通常より面積が大きかったり、後述するような難易度の高い不動産の場合、不動産鑑定士に不動産調査を依頼して相場価格を掴むことができればさらに安心です。

  • 査定報告書を作成してもらい金額や売却条件を確認する

依頼する会社が決まったら対象不動産の査定金額を出してもらいます。この金額が妥当かどうかが最初のポイントです。この金額を2、3社にヒアリングすることで大体の相場感がつかめます。そのなかで、相性が合う方に出会う努力を行いましょう(担当者のコミュニケーション能力が高いことは必須です)。

  • 不動産会社と媒介契約書を締結する

媒介契約書の詳細は後述しますが、個人的には媒介契約がペナルティがなく解除出来る前提であれば、担当者に頑張ってもらうことを考慮して専任媒介契約を締結することをおすすめします。尚、媒介契約書は3種類ありますが、それぞれ特徴があります(一般媒介契約書・専任媒介契約書・専属専任媒介契約書)。詳細はコラムでは割愛致します。

  • 不動産会社が販売活動を行う

販売活動中は、担当者からの報告・連絡をよく観察して下さい。チラシ、インターネット等、販売活動に問題はないか?ライバル会社にも情報を出しているか?近隣に販売活動を知られたくない場合は、上手に販売活動を行ってくれているか?この段階で、担当者の力量がかなり見えてくるでしょう。

  • 買主と条件が折り合ったら契約準備

買主がほぼ確定したら条件面の整理が必要です。売主としては、売却にあたりできるかぎり出費は避けたいため、現況有姿での引渡しを希望しましょう。また、引渡し後に問題があった場合に売主が金銭面での負担がないよう、瑕疵担保責任を免責することもポイントです。このような条件は売却金額にも影響してくるため、慎重な対応が必要です。

  • 不動産売買契約の締結

契約日より前に、重要事項説明書および不動産売買契約書を確認させてもらいましょう。最近の不動産売買契約書は特約が多く記載されるようになったため、事前に確認しておかないと当日の説明では意味が不明なまま終わってしまうこともあります。尚、当日まで契約書面を見せてくれない会社は注意が必要です。

  • 決済・引渡しを行う

買主が金融機関から借入を行う場合は、決済日に金銭の授受が問題なく行われるよう、担当者が段取りをとっているかよく確認しましょう。売主としては、権利証や登記識別情報に問題がないか事前に確認が必要です。また、売却で忘れてはならない不動産譲渡税の申告手続きについて、概算の譲渡税額まで押さえておくことが大切です。

※参照 円満相続をかなえる本