権利と義務の問題を相続の場面におきかえて考えてみる

権利と義務の話は誰もがよく聞くことでしょう。

歴史を紐解いていけば権利が大切であることはいうまでもありません。グローバルな視点で見ても、各国において違いがあるものの権利の大切さは議論の余地がないかと思います。日常においても権利があってこそひとそれぞれ幸せに生きることができるのであり、当然として権利を主張すべき場面は多くあります。それほど権利は私たちの日常にも普通にあるべきものだと言えるでしょう。

一方で、義務はどうでしょうか。

義務と聞くと私たちは納税や勤労、教育について考えますが、義務ときくと強制的なもののようにも感じられます。生きていて義務感など感じない人もいるかもしれませんし、そもそも日常のなかで義務を果たしているかといえば ?? といったこともあったりしないでしょうか?

例えば、相続の場面において権利と義務について考えさせられることがあります。相続では権利主張が目立ちます。相続権などはまさにそうでしょう。遺言があったとしても相続分が侵害されていれば権利主張すること(遺留分減殺請求)は法律で認められています。私たちもそのことをよく理解しています。一方、義務は遺産分割協議の内容に結果としてフォーカスされることがそれほどないように思います。両親の面倒を見てきたのか?障害のある兄弟のサポートが出来ていたのか?はたまた親族と仲良くしていたのか?これらがわたしたちの義務かどうかは置いておいても、それぞれが果たすべき役割(感情的な問題)についてはなかなかフォーカスされていません。それらには明確な回答がないからこそ、このポイントが実はとても大切だったりするのではないか、と思料しています。

私たちは、コンサルティング領域で仕事をさせて頂いていますが合理性がすべてだとは思っていません。

数値上、パフォーマンスを最大化出来たとしてもそこに持続性がなければ問題あり、と捉えています。その問題に義務と権利は大きく絡んできています。ただ、上段で述べたようにこの問題は歴史などからも学ばなければいけないことが多く、簡単に答えが出せるものでもありません。義務を果たしたとしても見返りがないなかでは義務を果たし続けていたら大変ですよね。だからこそ権利と義務については日々勉強をしています。そのことがしいてはお客様の問題解決に貢献することとなると考えています。

この問題は、社内でも日々議論をしているもののクローズのやりとりでは限界があることはいうまでもありません。今後は社外の方々とも自由闊達に議論を行い、しいてはお客様と私たちのより良い関係性づくりに役立てていきたいと思っています。ぜひお力添え頂ければ嬉しく思います。