コンクリート造における省エネ化【建築コラム】
現在、建築業界では、省エネ基準の引き上げと新技術の取り入れ等に関する取り組みがなされています。その中で、本日は、コンクリート造について、解説いたします。
コンクリートの材料
コンクリートは、以下の材料の組み合わせで出来ており、強度との兼ね合いから、配合の割合は以下のようになっています。
①粗骨材(砂利)→40%
②細骨材(砂)→30%
③空気+水(混和剤)+セメント=セメントペースト →30%
また、②+③を合わせて、「モルタル」と呼びます。
③にセメントとありますが、こちらもまた作られたものであり、
材料は以下のようになります。
セメント=石灰石+粘土(4:1)+石膏(3%以下)となっています。
なお、製造過程で、石灰石+粘土は、クリンカーと呼ばれるものに変化します。
セメントには、以下のような種類があります。
ポルトランドセメント
①普通ポルトランドセメント 一般のコンクリート工事に使用
②早強ポルトランドセメント 緊急工事・冬季工事などに使用
③中庸熱ポルトランドセメント マスコンクリート・水密コンクリート・遮蔽用コンクリート
→質量体積の大きなコンクリートでダム・大規模な橋梁・原子力発電所施設などに使用
④低熱ポルトランドセメント マスコンクリート・高流動コンクリート・高強度コンクリート
→水和熱に起因するコンクリートの温度ひび割れの低減が可能となっているため、硬化までは時間がかかるけれど、高強度となるコンクリート
混合セメント
→普通ポルトランドセメントに、別の材料を加えたセメントです
①高炉セメント 製鉄の際に分離されるスラグ マスコンクリート・海水や硫酸塩、熱の作用を受ける場所で使用するコンクリート
②フライアッシュセメント 微粒炭を燃焼させた時に出る、すす マスコンクリート・水中コンクリート
エコセメント
ここで、今、建築関連業界では、様々な「エコセメント」の開発・使用により、二酸化炭素排出量を削減する取り組みが行われています。
主原料を以下のようなものに置き換えています。
都市ごみを焼却した際に発生する灰
下水汚泥焼却灰
高炉スラグ
建築を取り巻く環境としては、カーボンニュートラルの観点から「木造」が推進されておりますが、こういった形で、コンクリート造に関しても、省エネを実現すべく、日々技術開発が行われています。
コンクリート造の技術革新
近年、3Dプリンターの開発が進み、それは、建築業界についても使用が進み始め、3Dプリンターによるコンクリート造の住宅が開発されています。
2022年7月 その先駆けともいえる、グランピング施設が北海道に誕生しています
GLAMPING VILLAGE~紅葉の里~ https://www.dimaccio-glamping.jp/about/
3Dプリンターによる住宅建設は
「工期短縮」「コスト削減」「デザイン性」という面で、従来の工法からかけ離れたものとなっていくでしょう。
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