相続対策として考える収益不動産投資 ― 建物構造のポイント【建築コラム】

近年、相続対策の一つとして「収益不動産」を活用する方法が注目されています。賃貸アパートやマンションなどの収益物件は、家賃収入を得ながら資産を保有できるだけでなく、相続税対策としても活用できる可能性があるためです。

しかし、収益不動産を相続対策として検討する際には、単に物件価格や利回りを見るだけでなく、「建物の構造」にも目を向ける必要があります。建物構造は、資産価値の維持、修繕費、さらには将来的な相続のしやすさにも影響を与える重要な要素だからです。本コラムでは、相続対策として収益不動産を検討する際に押さえておきたい建物構造のポイントについて解説します。

相続対策として収益不動産が注目される理由

現金や預貯金は、相続時には基本的に額面そのままの金額で評価されます。一方で、不動産は路線価や固定資産税評価額などを基準に評価されるため、一般的には市場価格よりも低い評価額になることが多いと言われています。
さらに、賃貸物件として運用している不動産の場合、貸家建付地や貸家評価が適用されることで評価額が下がるケースもあります。このような仕組みから、相続対策として収益不動産を活用する方法が広く知られるようになりました。

しかし、相続対策として収益不動産を取得する場合、重要なのは「長期的に安定した資産として維持できるかどうか」です。その判断材料の一つが建物の構造です。

収益不動産における主な建物構造

収益不動産では、主に以下のような構造が採用されています。

・木造
・鉄骨造
・鉄筋コンクリート造(RC造)
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

それぞれの構造には特徴があり、相続対策として保有する期間や目的によって適した選択が変わります。

木造アパート

木造は小規模な賃貸アパートで多く見られる構造です。建築コストが比較的低いため、投資金額を抑えながら収益物件を取得できる点が特徴です。
ただし、耐久性や遮音性の面では他の構造に比べて劣る場合もあり、築年数の経過とともに修繕費が増加する可能性があります。そのため、長期保有を前提とした相続対策の場合は、修繕計画を十分に検討する必要があります。

鉄骨造

鉄骨造は、木造よりも強度が高く、中規模の賃貸住宅や店舗付き住宅などで採用されることが多い構造です。建築コストと耐久性のバランスが比較的良く、収益不動産として一定の人気があります。
鉄骨造には軽量鉄骨と重量鉄骨がありますが、重量鉄骨の方が建物の強度が高く、比較的規模の大きな建物にも対応できます。相続対策としては、木造よりも耐久性があり、RC造よりも投資額を抑えやすいという中間的な位置づけの構造と言えるでしょう。

鉄筋コンクリート造(RC造)

RC造は賃貸マンションなどで多く採用されている構造で、耐久性や耐震性、遮音性に優れている点が特徴です。入居者の満足度が比較的高く、長期的に安定した賃貸需要が見込める場合が多いと言われています。

相続対策として収益不動産を保有する場合、数十年単位で資産を維持することを想定するケースも少なくありません。そのため、長期的な資産価値を重視する場合には、RC造の物件が選ばれることも多くあります。
ただし、建築コストが高いため物件価格も高額になる傾向があり、利回りは木造物件に比べると低くなる場合があります。投資額と安定性のバランスを検討することが重要です。

SRC造

SRC造は鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた構造で、高層マンションなどに採用されることが多い構造です。耐久性や耐震性に優れており、資産価値が維持されやすい特徴があります。
ただし、建築コストが非常に高く、個人が相続対策として新築で建築するケースはそれほど多くありません。主に都市部の大型マンションなどで見られる構造です。

相続対策では「次の世代」が管理できるかも重要

相続対策として収益不動産を取得する際に見落とされがちなのが、「相続後の管理」です。収益物件は家賃収入を生み出す資産である一方で、入居者対応や修繕、管理などが必要な事業用資産でもあります。

例えば築年数の古い木造アパートの場合、修繕や建て替えの判断が必要になる場面が出てくる可能性があります。そのようなとき、相続人が適切に管理・判断できるかどうかも重要なポイントになります。

そのため、相続対策として収益不動産を取得する際には、単に税務上のメリットだけでなく、「将来的に家族が管理しやすい物件かどうか」という視点も大切になります。

修繕費と長期的な資産価値

建物構造によって、将来的な修繕費にも違いが生じます。収益不動産では、外壁修繕、屋上防水、設備更新などのメンテナンスが必要になります。
特にRC造マンションでは、一般的に10〜15年程度の周期で大規模修繕が行われることが多く、その費用を計画的に積み立てていく必要があります。木造や鉄骨造でも、外壁や屋根のメンテナンスなどの費用が発生します。
相続対策として収益不動産を保有する場合、将来的な修繕費も含めた長期的な資金計画を立てておくことが重要です。

まとめ

相続対策として収益不動産を活用する場合、建物の構造は非常に重要な判断材料となります。木造、鉄骨造、RC造など、それぞれに特徴があり、投資額、耐久性、修繕費、資産価値の維持などに影響を与えます。

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