2026年 建築・不動産 法改正の行方~さらなる変化と求められる対応【建築コラム】

2025年に大きな変革期を迎えた日本の建築・不動産業界ですが、2026年もその流れは止まりません。特に注目すべきは、建築物省エネ法のさらなる強化と、不動産登記法の改正による所有者不明土地問題への対応、そしてマンション管理・再生を円滑化するための区分所有法改正です。

1.建築物省エネ法のさらなる深化(2026年4月1日施行)

2025年4月からすべての新築建築物に省エネ基準適合が義務化されましたが、2026年4月には、非住宅建築物のうち延床面積300㎡以上の建築物に対して、省エネ基準(一次エネルギー消費量基準値:BEI)がさらに厳格化されます。具体的には、BEIが1.0から0.75〜0.85へと引き上げられる予定です。


何が変わるのか?

中規模非住宅建築物の設計・施工に影響

これまで以上に高性能な断熱材や設備、効率的なエネルギーシステムが求められます。特に飲食店などの業種では、現行基準でも適合率が低い傾向にあるため、設計段階からの綿密な検討が不可欠となるでしょう。

コスト増の可能性

高性能化に伴い、建築コストの上昇は避けられないと予想されます。

省エネ性能表示の重要性増

建築物の販売・賃貸において、省エネ性能の表示がますます重要になります。これは、入
居者やテナントが省エネ性能を重視する傾向が強まるためです。

業界への影響

設計・設備提案の高度化

設計事務所や設備メーカーは、より専門的な知識と技術をもって、省エネ性能とデザイン・コストのバランスの取れた提案が求められます。

施工技術の向上

現場での断熱施工の品質管理や、高性能設備の導入・調整能力がこれまで以上に重要になります。

既存建築物への波及

新築だけでなく、既存建築物の省エネ改修への需要も高まる可能性があります。

2.不動産登記法の改正

住所・氏名変更登記の義務化(2026年4月1日施行)

所有者不明土地問題の解消を目指し、不動産所有者の住所や氏名が変わった際の変更登記が義務化されます。これまで任意だったこの登記が義務化されることで、所有者の所在をより正確に把握し、土地の有効活用を促進することが目的です。

何が変わるのか?

義務化の対象

所有権の登記名義人(不動産の所有者)が、転居などで住所を変更した場合や、結婚などで氏名を変更した場合が対象です。

期限と罰則

2026年4月1日以降、変更を知った日から2年以内に登記申請をする必要があります。正当
な理由なくこれに違反した場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。

過去の変更も対象

施行日より前に住所や氏名を変更していた場合も義務化の対象となり、2028年3月31日ま
でに変更登記を行う必要があります。

業界への影響

不動産取引の円滑化

所有者不明土地問題の解消は、将来的な不動産取引の円滑化につながります。

登記業務の増加

司法書士などの専門家の業務量が増加すると予想されます。

既存所有者への周知とサポート

不動産会社や金融機関は、顧客に対して変更登記の義務化について周知し、必要に応じて
手続きのサポートを提供することが求められます。特に、高齢の不動産所有者への丁寧な
説明が重要となるでしょう。

3.建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)の改正(2026年4月1日施行)

築年数の経過したマンションの増加や区分所有者の高齢化に対応し、マンションの管理と
再生を円滑化することを目的とした改正です。24年ぶりの大幅な改正となり、以下の3つ
の柱で構成されています。

マンションの管理の円滑化

管理組合の意思決定プロセスの見直しや、管理規約の適正化を促すための規定が設けられ
る可能性があります。

外部専門家(マンション管理士など)の活用を促す規定なども検討されるでしょう。

マンションの再生の円滑化

老朽化したマンションの建て替えや大規模修繕を促進するための制度が整備されます。
これまで意見集約が困難だった大規模修繕や建て替えの合意形成を支援する仕組みが導入
されるかもしれません。

団地の管理・再生の円滑化

複数のマンションや敷地を含む団地全体の管理や再生に関する規定が見直されます。

業界への影響

マンション管理業界の活性化

管理の専門性や再生事業への需要が高まります。

デベロッパーへの影響

再生事業への参入がしやすくなる一方で、複雑な調整能力が求められます。

既存マンションの価値評価の変化

管理状況や再生可能性が、マンションの資産価値にこれまで以上に影響を与えるようになるでしょう。

2026年、建築・不動産業界は「持続可能性」と「透明性」を追求する年へ

2026年の法改正は、2025年の流れを汲みつつ、さらに「持続可能性(省エネ、老朽化対策)」と「透明性(所有者情報)」を追求する方向性を示しています。

GSRコンサルティングでは、今後の不動産・建築業界の動向に対応するためのご相談も受け付けております。気になる方はぜひご相談ください。

省エネ基準の引き上げに関する国土交通省の説明資料はこちら

国土交通省HP(マンション管理に関する改正法案の詳細)はこちら

省エネ基準に関するコラム
建築物の省エネ基準による変化【建築コラム】
建築物の省エネ基準の概要【建築コラム】

監修:CLOVER法律事務所 中島一郎 弁護士



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