材料から考える建築「木」【建築コラム】

新築の建物を建てようとなったとき、外観や内装をイメージする方が多いと思います。ご自身が好きな材料を選ぶことで、施主にとって心地よい空間が生まれます。それぞれの材料には、外観的特徴もありますが、構造物としての強度や耐久性にも特徴があります。

こちらのコラムでは、建物で使用される主な材料について特徴をお話したいと思います。

 

木造建築というと、日本においては大変歴史があります。歴史があるということは、日本という地域においてその材料が適しているということの現れでもあります。その特徴をまとめます。

①調湿性

夏に高温多湿、冬に低温乾燥の日本の気候において、気候に合わせて呼吸するように水蒸気を吸湿・放湿する木の性質。日本が歴史的に木造建築物が多い理由だと考えられています。

 

②断熱性

コンクリートや石とはちがい、木は冬に触れてもヒヤッとしません。これは木の断熱性能によるものです。コンクリートや土壁とは異なり、木材は断熱性能が高い建材です。

 

⑤強度の暦年増加

木は伐採後強度を増していく材料です。きちんと手入れをするとその強さは一世紀を超えて、まだ強度は高まっていきます。木は腐る、木は弱いというイメージを持たれるかたもいるかもしれませんが、木は、他の材料より強い、強くなっていく材料なのです。

現存する日本の歴史的建造物は、きちんと手入れされており、木の性質も相まって今も強度を保っているのです。

 

④自然素材の心地よさ

調湿作用のところにもあるように、木は植物のため、伐採後も呼吸をするように存在します。そのため、木材の香りや材質に癒される方も多いのではないでしょうか。

 

無垢材と集成材

木には、木を伐採後、そのまま使用する「無垢材」と、小さく切った木材を集めて接着剤で貼り合わせて作られた「集成材」があります。無垢材は、木の種類や、伐採後まもないものと年月が経ったもので、強度が大きく変わります。しかしながら、良い種類の年月が経った木は大変強度が高く、素晴らしい建築材料だといえるでしょう。

一方集成材は、規格化されいるため、品質が安定した建材です。加工もしやすいため、現在、建材としても家具としても広く使用されており、コストも無垢材に比べて低価格であることが多いというメリットがあります。

 

木の種類

日本で構造用の木材と言えば、「ヒノキ」「スギ」が上げれます。

構造的強度でいえば、ヒノキが勝ります。しかし、スギも太さを変えれば十分な強度があり、コスト面ではスギの方が有利です。

色合いは、スギの方が濃い色をしていることが多いです。あとは、どのような空間に仕上げたいかという好みで決めることでしょうか。

 

本日は、木の主な性質をご紹介させていただきました。

こちらのコラムを参考にしつつ、まずは、木造建築を取り扱っている設計事務所などで、たくさんの実例やイメージ例を見せて頂いてください。そして、実際に材料を置いてあるところがほとんどだと思いますので、見て触ってください。

「体感」は、こういったコラムでは読んだイメージではなく、ご本人にしか感じられないインスピレーションが働きます。知識と体感を合わせて作り上げていくことがとても大切です。

 

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