相続と建築において気を付けるべき4つのポイント【建築コラム】

相続と建築は、財産を次世代に円滑に引き継ぐ上で非常に重要なテーマであり、密接に関わっています。
特に不動産を含む相続では、法的・経済的な側面だけでなく、建物の維持管理や活用方法についても、長期的な視点を持って検討する必要があります。
ここでは、相続と建築に関連する重要なポイントをより詳細に解説し、具体的な事例を交えながら、皆様の疑問や不安を解消できるような情報を提供します。

ポイント1 不動産相続の基本と注意点:登記、評価、遺産分割

不動産を相続する際、まず行うべきは相続登記です。2024年4月から相続登記が義務化され、相続開始から3年以内に手続きを行わないと過料が科される可能性があります。この法改正は、所有者不明土地問題の解消を目的としており、相続が発生したら速やかに手続きを行うことが重要です。
次に、相続する不動産の価値を正確に把握する必要があります。固定資産税評価額や路線価は、相続税評価額の基準となりますが、市場価格とは異なる場合があります。不動産鑑定士に依頼して、より正確な評価額を算出することをおすすめします。
複数の相続人がいる場合は、遺産分割協議を行い、誰がどのように不動産を取得するかを決定します。遺産分割協議では、相続人全員が合意する必要があります。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることも可能です。遺産分割協議書は、後々のトラブルを防ぐために、必ず書面で作成し、相続人全員が署名・捺印するようにしましょう。

具体的な事例:

  • 相続登記を怠り、過料を科されたケース
  • 遺産分割協議が難航し、調停に至ったケース
  • 不動産鑑定士による評価で、市場価格とのギャップが明らかになったケース

ポイント2 建物の評価と老朽化問題:インスペクション、売却、解体

相続時に建物の価値を評価する際、築年数や建物の状態を考慮する必要があります。特に、築年数が古い建物や、メンテナンスが不十分な建物は、老朽化が進み、資産価値が著しく低下している可能性があります。このような建物は、「負動産」となるリスクも考慮しなければいけません。
建物の状態を正確に把握するために、建物診断(インスペクション)を行うことをおすすめします。インスペクションでは、建物の劣化状況や耐震性などを専門家が調査し、修繕の必要性を判断します。
利用価値が低い建物や、修繕費用が高額になる場合は、売却や解体を検討することも視野に入れる必要があります。ただし、更地にすると固定資産税が高くなる場合があるため、注意が必要です。

具体的な事例:

  • インスペクションで建物の劣化が発覚し、修繕費用が売却価格を上回ったケース
  • 老朽化した建物を解体し、駐車場として活用したケース
  • 更地にしたことで固定資産税が大幅に増加したケース

ポイント3 建築基準法と再建築不可物件:接道義務、リフォーム、専門家への相談

相続した不動産が「再建築不可物件」である場合、建替えができないため、将来的な資産価値が低くなる可能性があります。特に、接道義務を満たしていない物件は、建築基準法上の制限により、建物の新築や増改築ができません。
再建築不可物件を有効活用するためには、隣地所有者と交渉して接道を確保する、リフォームして賃貸物件として活用する、専門の不動産業者に相談して売却を検討するなどの方法があります。

具体的な事例:

  • 隣地所有者と交渉し、接道を確保して建物を建て替えたケース
  • 再建築不可物件をリフォームし、民泊施設として活用したケース
  • 再建築不可物件を専門の不動産業者に売却し、活用してもらったケース

ポイント4 相続対策としてのリフォーム・建替え:節税、収益化、将来の計画

相続税の節税対策として、不動産の活用は非常に効果的です。例えば、空き家を賃貸用にリフォームすることで、小規模宅地等の特例を活用し、相続税評価額を下げることができます。また、古い建物を建て替えて収益物件にすることで、資産価値を高めつつ、安定した収入を得ることができます。
相続対策としてリフォームや建替えを検討する際は、費用対効果を慎重に検討する必要があります。リフォーム費用や建替え費用、固定資産税、管理費などを総合的に考慮し、将来的な収益を見込むことが重要です。また、相続人の意向を尊重し、将来的な活用方法を計画することも大切です。

具体的な事例:

  • 空き家をリフォームし、賃貸物件として活用して相続税を節税したケース
  • 古い建物を建て替え、高齢者向け賃貸住宅として収益を上げたケース
  • 相続人全員で話し合い、将来的な活用方法を決定したケース

まとめ 専門家との連携、早期の対策

相続と建築は、複雑で専門的な知識が必要となる分野です。相続が発生する前に、不動産の現状を把握し、活用・管理・処分の方向性を明確にしておくことで、相続人間のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな相続を実現することができます。
司法書士、不動産鑑定士、建築士などの専門家に相談しながら、最適な相続計画を立てることをおすすめします。早めに専門家に相談することで、選択肢が広がり、より良い対策を講じることができます。

専門家により得られる情報例

  • 相続に関する最新の税制改正情報
  • 不動産の種類(戸建て、マンション、土地など)別の相続対策
  • 相続した不動産の維持管理に関する具体的なアドバイス

具体的な事例や、相続に伴う建物のリフォーム・売却について詳しく知りたい場合は、お気軽にお問い合わせください。

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