木造と軽量鉄骨造の比較【建築コラム】

現在の建築において、よく取り扱われている構造の中から、本日は、木造と軽量鉄骨造について、性能の違い、メリットデメリットを解説させて頂きたいと思います。

木造とは

木造とは、その名の通り、建物の主要構造部が木材で出来た構造です。
主な特徴をまとめると、以下の5点となります。

①調湿性 ②断熱性 ③強度の暦年増加 ④自然素材の心地よさ ⑤脱酸素(SDGsに繋がります)

軽量鉄骨造とは

軽量鉄骨造とは、建物の主要構造部が軽量鉄骨で出来た構造です。

そもそも、鉄骨はその厚さにより「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」に分類され、軽量鉄骨は、厚さ6mm以下の鉄骨を指します。
一般的に「鉄骨造」と呼ばれるものは、「軽量鉄骨造」で、一般的な住宅等に使用されます。
重量鉄骨造は、大型マンションやビル等の建設に使用されます。

軽量鉄骨造の主な特徴を簡単にまとめると、以下の通りです。
①規格化による品質安定 ②耐用年数の長さ ③耐震性

木造と軽量鉄骨造の比較

ここからは、一般的な住宅に使用される2構造を、性能別に比較してみたいと思います。

1.耐用年数

耐用年数というのは、通常の維持補修を加える場合にその減価償却資産の本来の用途用法により通常予定される効果をあげることができる年数のことで、法律で定められています。

法定耐用年数は、以下の通りで、木造より軽量鉄骨造の方が寿命が長いといえます。

木造    → 22年

軽量鉄骨造 → 27年(鉄骨の厚さ3~4mm)
        34年(鉄骨の厚さ4mm超)

もちろん、木造もきちんとメンテナンスしていけば、耐用年数を超えて使用可能な場合もございます。
建物の構造を選択する上での、1つの目安として考えて頂ければと思います。

2.品質

一般的には以下のように考えられています。

軽量鉄骨造
 工場で部材を生産しており、一定の品質を保つことが可能

木造
 木材の材質・施工する職人の技術により、ばらつきがある

しかし、木造につきましては、木の性質により、強度の暦年増加が考えられます。
また、集成材と呼ばれる、木片を合わせて作った部材による、強度の安定を図ることも可能となっております。

3.耐震性

構造の耐震性は、簡単に表すと以下の通りとなっています。

木造 < 軽量鉄骨造 < 重量鉄骨造 < RC造

しかし、全ての建物に上記の優劣が当てはまるわけではありません。


これまでの建築基準法の改正に伴い、耐震基準が変更になっているため、「建築確認申請日」により、その耐震基準の厳しさが変わっています。
旧耐震基準:1981年5月31日以前
 震度5程度の地震で倒壊しないことを想定
新耐震基準:1981年6月1日以降
 震度7程度の地震で倒壊しないことを想定
2000年基準(木造):2000年6月1日以降
 震度7程度の地震で倒壊しないことを想定であることに加え、以下の3点を義務化しました。
 ・地盤に応じた基礎
 ・部材接合部の金具の取り付け
 ・偏りのない耐力壁の設計

2000年基準におきましては、1995年の阪神淡路大震災で多くの木造建物が倒壊したことから、耐震基準を見直したものであり、人命を重視した、厳しい基準となりました。
木造の安全性もこちらの基準で建てられた建物であれば、旧耐震のRC造よりも耐震性が高い可能性があります。

中古建物をご購入を検討される際には、上記の建築確認申請日をご確認頂ければと思います。

4.断熱性

断熱性というのは、材料の「熱の伝えやすさ」の比較となります。
鉄骨と木、冬の寒い日に、どちらを触れば冷たいかなど想像して頂ければ分かりやすいかと思います。
つまり、断熱性能は一般的に

軽量鉄骨造 < 木造

ということになります。しかしながら、断熱材の使用の仕方によっても、大きく変わってきますので、建物の仕様によって変わります。

5.調湿性

木造については、「木」の材質による性能として、調湿性があります。
自然素材ゆえの性質と言えるでしょう。そのため、梅雨時期の住宅内の湿気によるカビの発生などを抑止する効果があります。
また、冬には放湿する性質もあるため、日本の夏に高温多湿、冬に低温乾燥という気候に適しています。
その点、軽量鉄骨は、そのような性質が無いため、調湿に対する設計上の工夫が、木造より必要となります。

6.コスト

コストについて、一般的には、

木造 < 軽量鉄骨造

と言われています。

しかしながら、もちろん性能を高めるとコストは大きく変わります。

まとめ

ここまで、木造・軽量鉄骨造の特徴と比較を解説してまいりましたが、やはり、建物の利用者が一度その空間を体感し、建築するという事が一番大切です。そして、それぞれのデメリットとなる点が、もしご自身が重視するものであれば、それを補う設計を、設計者に依頼する必要があります。
ご自身の建物について、何を優先し、どこをコストカットできるのかを、専門家と共に整理できると良いと思います。

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