堀江ビル リノベーション事例のご紹介

相続対策の一環として、赤坂見附にある一棟ビルのリノベーションコンサルティングを行わせていただきました。

相続対策全般のご相談ということもあり、初めてのご相談からお引渡しまで約3年間のプロジェクトとなりましたが、既に満室で稼働しており、今回のリノベーションプロジェクトの一つの目的でもあった「収益性の改善」の面でも、お客様にとって大きなメリットのあるプロジェクトになったかと思います。

 

通常このようなプロジェクトの場合、既存建物の建替え・リノベーションそれぞれの面から建築面・収益面・安全面等様々な角度から分析し、その不動産の価値を最大限に高める方法を検討していきます。

堀江ビルは容積率を消化しきれていない建物でしたが、容積率を消化するためにエレベーターを設置してしまうと、既存の貸床面積の約1/2まで減少してしまう不動産でした。

そこで、建替えではなく、リノベーションによって不動産の価値を最大限に高める方針でプロジェクトを進めることになりました。

リノベーションの目的

リノベーションを行う上で、目的を明確にすることが重要だと考えています。

堀江ビルは、お客様が中古で取得した不動産で、当初は店舗兼自宅として建築された建物でした。

お客様が取得後、賃貸物件としての運用が始まりましたが、リノベーションの調査によって、様々な要因で今後20年30年とご所有いただくには不安が残る状況であることがわかりました。

そのため、今回のリノベーションプロジェクトでは以下の6点を目的として設定することになりました。

①ライフラインをクリアにする

②安全面の不安要素をクリアにする

③収益性の改善

④メンテナンス性の改善

⑤デザイン性の向上

⑥相続対策

 

目的と対策

①ライフラインをクリアにする

一般的には「収益性の改善」が第一の目的になりますが、堀江ビルの場合上述の通り建築当初は店舗兼自宅の建物であったため、特に給排水管経路が特殊な造りとなっていました。

お客様の所有以降は店舗・事務所として賃貸経営をされていましたが、各階の天井や床の中に給排水管やガス管が張り巡らされており、かつ長年の賃貸経営の中でテナント様の造作によって建築時の図面と配管経路が変更されている点が確認できました。

過去には給水管からの漏水が発生したこともあり、今後も堀江ビルで賃貸経営を続けて頂く上でライフラインを更新して経路を明確にすることが第一の目的となりました。

 

こちらは、新規でPSを設けて1階から4階まで縦管を直線にすることで問題が解消されました。

既存配管はすべて撤去し、各専有部の配管も更新できたため、漏水リスクの軽減と今後漏水が発生した場合でも漏水箇所を発見しやすい状況にできました。

 

②安全面の不安要素クリアにする

次に、安全面の不安要素をクリアにすることが目的となりました。

大手建築会社様で建築された鉄骨造の建物ではありましたが、昭和58年に新築された建物で、建築時の図面と現況にいくつか相違が見受けられました。

新耐震基準で建てられた建物ですが、地震大国である日本で今後20年30年と賃貸経営を続けていくことを考慮すると、建物の耐震性にご不安をお持ちだったことから安全面を検討していくことになりました。

 

一般的には耐震診断や耐震補強工事は旧耐震基準で造られた鉄筋コンクリート造に行うことが多いのですが、今回リノベーション工事の前段として耐震診断工事を行うことにしました。

結果として耐震性には問題がなく、建築時の図面と現況の相違も問題ないとのお墨付きが出たため、お客様にもご安心頂くことができました。

 

③収益性の改善

もちろん収益性の改善も一つの目的となります。

従来はエレベーターの無い4階建ての建物ということもあり、リーシングに苦戦したことも多かったようです。

確かに毎日利用する事務所で、4階まで階段で上り下りすることはテナント様にとってもご負担が大きく、特に4階はリーシングが難しい印象を持ちました。

そのため、収益性の改善では特に4階に注力して、賃料の増額はもちろん、空室期間を削減しやすくする方法を検討しました。

 

エレベーターが無いことを変えられないため、4階の貸室自体に付加価値を設定する方法を検討することになりました。

施工業者様との打ち合わせを重ね、従来は全く利用していなかった屋上部分を4階テナント様専用の屋上テラスとしてご利用頂けるよう、ウッドデッキ化して付加価値を設定する方針に決定しました。

  

実際に4階をご内覧された方にも屋上テラスを魅力的に感じていただくことができ、このウッドデッキ化がなければ従来どおり4階のリーシングには苦戦する結果となっていたと思います。

 

④メンテナンス性の改善

従来は共用階段の床材にカーペットに近い部材が使用されており、日常清掃に手間がかかり、経年による劣化が目立つ状況でした。

他にも電話回線等の主要部分が屋上に設置されている状況で、メンテナンスの際に専有部を通る必要があり、テナント様にもご負担がかかる造りとなっていました。

 

建物の構造を大きく変更することはできないものの、メンテナンス性の高い部材を使用し、日常清掃でも大規模修繕でも労力やコストを削減できる方法を検討しました。

共用階段の床材はマンションの共用廊下に使用される長尺シートを使用し、日常清掃でもポリッシャーでも作業が容易になりました。

  

また、今後の大規模修繕を実施する上で、屋上防水工事をしやすいよう、ウッドデッキをユニット化することで屋上防水工事の際の労力やコストを削減する工夫を凝らしました。

 

⑤デザイン性の向上

デザイン性の向上も一棟リノベーションの醍醐味だと思います。

従来も立地の良さから一定のニーズはあったものの、外装・内装ともに経年による劣化が見受けられ、かつ、各専有部の内装は建築当初の自宅部分の名残があり、退去の際にどの様な原状回復を実施するかの目処がつきにくいものでした。

いずれもリーシングの際にはネックになることが予想されたため、外装・内装ともにデザインを一新することになりました。

 

外装のデザインからスタートし、複数のデザイン案の中から所有者様には、石・木・鉄の調和をコンセプトにした外装をお選びいただきました。

堀江ビルのある一ツ木道路はバラエティー豊かな様々なビルが立ち並ぶ通りです。

通り沿いにはタイル張りのビルが多い中で、木のカラーをアクセントに入れることでオリジナリティのある良いデザインをお選び頂けたと思います。

また、2階以上の外壁はモルタル調の塗料を使用し、鉄骨造ながら重厚感のある外観になりました。

内装ではあえて階段室の鉄骨を露出させ、ブラック・ホワイト・グレーの落ち着いた雰囲気のデザインとしつつ、専有部はホワイトを基調とした明るい雰囲気にすることで、外装・階段室・専有部でメリハリのあるデザインとしました。

 

 

 

 

⑥相続対策

相続対策の面では堀江ビルだけでなく、ご資産全体を考慮した分割対策と相続税の節税対策が必要な状況でした。

詳細は割愛しますが、堀江ビルでは相続対策として資産管理法人を設立し、建物の所有権を資産管理法人に移転することになりました。

お子様に資産管理法人の役員となって頂き、他の対策と併用することで分割対策に繋がります。建物所有権を資産管理法人に移転することで賃料を資産管理法人に帰属させ、お客様のお手許に貯まる現金を分散させることで相続税節税対策として有効な対策となりました。

特に相続税節税対策では、資産管理法人を利用した対策を得意とする税理士とチームを組み、建物所有権移転からその後の資産管理法人の決算やお客様の確定申告まで一貫したサポート体制とすることで、常に全体像を把握しやすくし、万が一が起こった際もスムーズに相続税申告を行えるようにしつつ、日々の税金に関する不明点等もお気軽にご相談頂ける状況にできたと思います。

 

築年数が経過した建物の今後

今回一棟リノベーションを実施したことで、今後も定期的なメンテナンスを行いながら賃貸経営を行える建物の土台を造れたと思います。

堀江ビルだけにいえることではありませんが、築年数が経過した建物の不安要素は、大きく建物自体の安全性、ライフラインの老朽化、市場のニーズと建物のミスマッチによる収益性低下等が挙げられます。

建替えを行うことで、建物が新築になりますので築年数経過による不安要素はすべて解決できますが、はたして建てては壊しを繰り返すスクラップアンドビルドだけが正解なのでしょうか?

もちろん現在の耐震基準を満たせず、耐震補強工事に事業収支を圧迫するほどの費用がかかるケースでは建替えが有効なケースとなりますが、お客様の建物への思い入れや昨今のSDGsへの関心の高まりがある中で、一棟全体のリノベーション工事はお客様が保有する不動産の活用方法の一つとして有効な方法の一つと考えています。

上記のような不安要素も、堀江ビルのように耐震診断・ライフラインの更新・付加価値の設定・デザイン性の向上を行うことで、収益性の改善ができると思います。

築年数が経過した建物をお持ちの方は、今後の方向性として建替えとリノベーションを並行してご検討する方もいらっしゃると思いますので、今回弊社でお手伝いをさせていただいた堀江ビルの事例が、ご検討中の計画のご参考になれば嬉しく思います。

※担当:久保田俊

 

 

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